株式相場には数多くの格言がありますが、その中でも投資家に深い示唆を与えてくれるのが「相場は相場に聞け」という言葉です。本記事では、この格言の意味や具体的な成功例・失敗例を紹介し、投資初心者にもわかりやすく解説します。
「相場は相場に聞け」とは、自分の思い込みや予測に頼らず、実際の相場の動きや事実から判断せよという意味です。つまり、相場が上昇していれば「理由は後からついてくる」、下落していれば「そこに何かがある」と考え、チャートや需給、出来高といった“相場の声”に耳を傾けることが重要だという教えです。この格言は、「自分がこう思うから上がる(下がる)はずだ」という“主観”ではなく、「実際に上がっている(下がっている)」という“事実”に基づいて行動せよ、という戒めでもあります。
ある個人投資家は、2023年に半導体関連銘柄が上昇し始めた際、市場の評価を半信半疑で見ていました。しかし、チャートや出来高を分析し、「上昇トレンドは明確」と判断して買いポジションを保持。その後、株価はさらに上昇し、結果として大きな利益を獲得しました。このケースでは、「自分の感情よりも相場の動きを信じた」ことで成功につながりました。
逆に、2022年のグロース株急落局面では、「この銘柄は本来価値がある」「一時的な下げだろう」と自分の考えに固執した投資家が多数いました。実際には、チャートは崩れ、出来高も減少。市場は明確に売りシグナルを出していましたが、それを無視した結果、大きな含み損を抱えることになったのです。「相場は相場に聞け」という教訓を無視した典型的な失敗例といえます。
「相場は相場に聞け」という格言は、相場の現実を冷静に受け止め、自分の感情や願望ではなく、事実に基づいて行動することの大切さを教えてくれます。相場のトレンドやチャートの形、出来高の変化など、今そこにある事実こそが、次の一手を教えてくれる「声」なのです。
株式投資において長く生き残るためには、自分の予測よりも、目の前の相場そのものに耳を傾ける姿勢が何より重要です。初心者の方も、この格言を胸に刻み、相場から学ぶ投資スタイルを意識してみてください。
デイトレード歴の長い私、株兵ですが、初心者の頃は「相場は相場に聞け」ということを無視したトレードをやっていたように感じます。少し慣れてくると、この「相場は相場に聞け」ということが痛切に理解できます。この格言を理解していると、大きな損失をする確率がぐっと減ります。例えば、好決算や何らかの好材料となるようなニュースが出たときに、もちろん株価が騰がる可能性は高いですが、下がる可能性もゼロではありません。この可能性が低いけど、株価が下がる時があるということが株の世界です。自分の認識では騰がるはずだと思っているのに、株価が大きく下がった時。この時に、どう感じるか、どう思うか? 自分の認識が間違いなのか? 株価が下がることが間違いなのか? 結論は、株価が下がることが正解ですね。正解という事実、現実。自分が間違っていると決断を早くすること(損切すること)も正解になります。株の世界は「相場は相場に聞け」が正解です。初心者の頃は、これに気づかずに、自分は正しい、株価の動きが間違っているという思いや考えになってしまいがちでした。結果、損切りが遅れて大きな損失を出す。損切をしてリセットしないせいで、その後のリバウンドも逃すことにもなります。「相場は相場に聞け」、非常に多くのものが詰まっている相場格言だと思います。